バーチャルセミナー

 バーチャルセミナーでは、弊社が開発したRNAポリメラーゼを用いたシークエンス技術である「転写シークエンス法」について、5つに分けてご説明します。


転写シークエンス バーチャルセミナー一覧
第1回 「転写シークエンス法」とは?
第2回 ニッポンジーンテク独自のシークエンスシステム
 CUGA®シークエンシングシステム〜
第3回 RNAポリメラーゼをシークエンスに使う理由:1
 〜等温,短時間で簡単反応〜
第4回 RNAポリメラーゼをシークエンスに使う理由:2
 〜PCR産物を精製せずにダイレクトシークエンスができる〜
第5回 RNAポリメラーゼをシークエンスに使う理由:3
 〜難解読な塩基配列が解析できる〜
第6回 転写シークエンス法による難解読鋳型解析例
第7回  〜CUGA®シークエンシングシステムを実体験したお客様からの声〜
第8回 Templiphi DNA Amplification Kit (アマシャムバイオサイエンス社製)を鋳型調製に使用してのCUGA®シークエンシングの解析例
 〜PCR増幅が難しい鋳型配列も簡単にシークエンシング〜
第9回 【緊急報告】きわめて解析困難な配列解読成功
(126baseにもおよぶGT-repeat配列)






第1回: 「転写シークエンス法」とは?
 「転写シークエンス法」とは、RNAポリメラーゼによるin vitro転写反応を応用したシークエンス法です。原理的には、Sanger, Fらのジデオキシダイターミネーター法に基づいており、ターミネーターが蛍光色素で標識されているため、現在、塩基配列決定のために使用されているDNAシークエンサーで解析作業を行うことができます。


図:RNAポリメラーゼを用いた転写シークエンス法の原理

 転写シークエンス法では、プロモーター配列を有する二本鎖DNAを鋳型としているため、DNAポリメラーゼを用いたサイクルシークエンス法にはない、優れた利点があります。その利点については、以下の回で「RNAポリメラーゼをシークエンスに使う理由」としてご説明します。

文献,発表一覧

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第2回: ニッポンジーンテク独自のシークエンスシステム
      〜CUGA®シークエンシングシステム〜
 RNAポリメラーゼを用いた転写シークエンス法を、ニッポンジーンテクが更なる改良を続け、独自に製品化したものが「CUGA®シークエンシングシステム」です。
 転写シークエンス用に開発した、「CUGA®ポリメラーゼシリーズ」は、T3、T7ファージ由来の野生型T3、T7RNAポリメラーゼをもとに改良した酵素です。野生型T3、T7RNAポリメラーゼに比べ、蛍光標識されたターミネーターの取り込み効率を飛躍的に向上させ、さらに正確な転写反応を実現させることに成功しました。

 また、鋳型DNAの両鎖(フォワード、リバース)からシークエンスをおこなう場合、サイクルシークエンス法ではフォワードプライマー、リバースプライマーといったプライマーの使い分けをおこないます。
 「CUGA®シークエンシングシステム」では、ターゲット配列の両端にT3、T7プロモーター配列を付加したものを鋳型調製し、CUGA®シークエンスをおこなう際に、各プロモーターを特異的に認識するCUGA®ポリメラーゼシリーズを使い分けるという、非常にユニークな方法で両鎖からのシークエンスをおこなうことができます。


図:CUGA®シークエンシングシステムによる両方向からのシークエンス

 したがって、CUGA®シークエンシングシステムは、転写シークエンス法の利点を最大限に生かしつつ、さらに進化を続ける、画期的なシークエンシングシステムです。

なお、弊社では、CUGAシークエンシングシステム用に最適化したクローニングベクター"pTS1"もご用意しています。転写効率を高めるように設計していますので、効率の良い転写シークエンスをおこなうことが可能です。
また、従来のサイクルシークエンス法にも使用できますので、いったんpTS1にてサブクローニングをおこなえば、状況に応じてサイクルシークエンス、転写シークエンスの使い分けができます。

 (株)ニッポンジーンテクでは、「CUGA®シークエンシングキット」および「クローニングベクターpTS1」の販売を開始しました。製品情報については、こちらをクリックして下さい。
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第3回: RNAポリメラーゼをシークエンスに使う理由:1
      〜等温,短時間で簡単反応〜
 CUGA®シークエンシングシステムは、RNAポリメラーゼによるin vitro転写反応を応用しているため、酵素反応は37℃(等温反応),60分間(短時間)の簡単な反応条件でシークエンス反応をおこなうことができます。


図:サイクルシークエンス法と転写シークエンス法の反応条件比較

 CUGA®シークエンシングシステムに用いている変異型T3,T7 RNAポリメラーゼである「CUGA®3ポリメラーゼ」,「CUGA®7ポリメラーゼ」は、転写活性が非常に高く、さらに反応が短時間でおこなえます。
 また、等温反応であるため、サーマルサイクラーを用いての複雑な温度設定を一切必要とせず、等温に設定できるインキュベーターさえあれば、
誰でも気軽にシークエンス反応をおこなえます。
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第4回: RNAポリメラーゼをシークエンスに使う理由:2
    〜PCR産物を精製せずにダイレクトシークエンスができる〜
 CUGA®シークエンシングシステムは、鋳型調製をPCRにておこなった際、PCR産物を精製する必要なく、PCR反応液をそのままシークエンス反応液に加えてシークエンス反応をおこなうことができます。
 従来のDNAポリメラーゼによるサイクルシークエンス法では、PCR産物をシークエンス反応用の鋳型DNAとして用いる場合には、電気泳動ゲルからのバンド回収やカラムによる精製により、PCR溶液中に残存する過剰の未反応のプライマーや基質(dNTPs)を除去する必要がありました。


図:PCR産物を鋳型にしたときの作業行程比較

 一方、RNAポリメラーゼを用いたCUGA®シークエンシングシステムでは、RNAポリメラーゼがPCR反応液中の未反応のプライマーやdNTPsを全く取り込まないので、PCRにて鋳型DNAを調製する場合、これらを精製する工程を省略でき、多サンプル処理も容易になります。

 また、通常おこなわれているコロニーPCRからのダイレクトシークエンスもCUGA®シークエンシングシステムでおこなうことが可能です。コロニーPCRで残存するRNase程度なら、フェノール処理等をしなくても、
コロニーPCR反応液を直接、転写シークエンス反応液に持ち込むことが可能です。
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第5回: RNAポリメラーゼをシークエンスに使う理由:3
      〜難解読な塩基配列が解析できる〜
 CUGA®シークエンシングシステムは、RNAポリメラーゼをシークエンス反応に使用することで、DNAポリメラーゼでは解析できないような塩基配列が解析可能となりました。

 現在まで、大規模ゲノムプロジェクト等にでのシークエンス解析には、DNAポリメラーゼを用いたサイクルシークエンス法が主流となっています。この方法では、反応開始に必須となるプライマーを導入するために、熱変性(95℃)により鋳型二本鎖DNAを一本鎖に解離させ、温度を下げる(55℃)ことでプライマーをアニーリングする行程が必要となります。その際に一本鎖DNA自身が塩基配列によっては、分子内結合により強固な高次構造を形成しやすいため、それが酵素反応の立体的障害となり、伸長反応が阻害されることが知られています。


図1:難解読鋳型解析の際のサイクルシークエンス法

 こうした高次構造以外にも、生物のゲノムDNA上では、GC-rich配列,繰り返し配列など、従来のDNAポリメラーゼを使ったシークエンス法では解析が困難であるものが存在します。我々は、こういった従来のシークエンス法では解析が困難な鋳型を「難解読鋳型」と定義しています。

 一方、RNAポリメラーゼを用いたCUGAシークエンシングシステムでは、等温(37℃)でのシークエンス反応が可能なため、
鋳型DNAを二本鎖にしたまま、伸長反応をおこなうことができます。したがって、高次構造の原因となる一本鎖にする必要がありません。


図2:難解読鋳型解析の際の転写シークエンス法

 更に、CUGAシークエンシングシステムでは、反応基質にリボGTPの代わりにリボITPを使用しているので、反応産物であるRNAの高次構造形成によるバンドコンプレッションによる問題も解消されています

 このようにCUGAシークエンシングシステムは、従来のDNAポリメラーゼを用いたシークエンス法では解析困難であった「難解読鋳型」に対して、非常に高い能力を発揮します。

※両シークエンス法による難解読鋳型解析の比較をアニメーションでご覧になれます。

アニメーションをご覧になるには、Flash Playerが必要です。

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第6回: 転写シークエンス法による難解読鋳型解析例
 第4回では、CUGAシークエンシングシステムが「難解読鋳型」にも効果を発揮する理由をご説明しましたが、この回では、実際の「難解読鋳型」を用いての解析例を示します。
 一般的に、DNAポリメラーゼを用いたサイクルシークエンス法で解析が困難とされる塩基配列のタイプは以下に挙げられます。

<主な難解読鋳型の塩基配列パターン>

  • GC-rich配列
  • G-rich配列
  • パリンドローム(回文)配列
  • AT-rich配列
 以上挙げられた難解読な塩基配列において、CUGAシークエンシングシステムでは非常に優れた効果が確認されました(こちらをクリックすれば、上記配列パターンの解析例をご覧になれます)。
 また、第2回でもご説明したように、
いずれの配列パターンでも37度,60分間の簡単な反応でおこなうことができます。したがって、従来のサイクルシークエンス法のように、配列パターンによって反応条件等を変えていく必要がありません。
 
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 〜CUGA®シークエンシングを実体験したお客様からの声〜
 研究機関からの解析を手がけ、一部、CUGA®シークエンシングシステムによるシークエンス解析を体験されたお客様からの喜びの声をご紹介いたします。


CUGA®を体験された喜びの声の一部】
  • 大変きれいに読めており満足しております。解析を行いました結果、ステムループ構造(しかもGCリッチ)のため、通常の方法では解読できなかったと思われます。
    ちょうどORFの直後にあり転写ターミネーターとして働くのではないかと予想されますが、転写シーケンスでは転写ターミネーターは問題にならないようですね。
    (東京大学 大西康夫 先生 より)
  • 難解読シークエンスサービスで、私のサンプルを解析していただき、ありがとうございました。このサンプルは他社の添加剤を使っても読めませんでした。長い間、解析不能で困っていた配列でしたので、本当に助かっています。
    (関西医科大学 西澤幹雄 先生 より)
  • 今までは、あるところからピークが減少しまったく読めなくなってしまいましたがGUGA®シークエンスシステムでは、難なく読めていました。(中略)GC-richで強固な二次構造を取るような、今まで解読が困難であったサンプルはGUGA®シークエンスシステムは非常に有効であると思われます。
    (長岡技術科学大学 工藤久 先生 より)
  • 依頼した人工DNA配列は、通常のサイクルシーケンス法では解析できず、(inverted repeatがあることは予想できたのですが)どのような配列が実際にできあがっているのかわかりませんでしたが、今回の解析の結果により配列の確認ができました.
    御社へのお願いとしましては、いま自分のところで使っているシーケンサー(Beckman CEQ2000)に対応したキットを販売していただければありがたいと思います.
    (財団法人癌研究会癌研究所 柏木健司 先生 より)

【先生方からのサンプルを用いての結果の一部】


図1:大西康夫先生からのサンプルを用いてのシークエンス解析比較例
   (パリンドローム配列の解析)


図2:西澤幹雄先生からのサンプルを用いてのシークエンス解析比較例
   (GC-rich配列の解析)
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第8回:Templiphi DNA Amplification Kit (アマシャムバイオサイエンス社製)を鋳型調製に使用してのCUGA®シークエンシングの解析例
 〜PCR増幅が難しい鋳型配列も簡単にシークエンシング〜
 第8回では、CUGA®シークエンシングキットを用いた応用として、鋳型調製にアマシャムバイオサイエンス社の「TempliPhi DNA Amplification Kit」を用いた解析例を示します。

TempliPhi DNA Amplification Kitは、Rolling Circle Amplification (RCA)法を利用したもので、プラスミドなどの環状DNAから相補鎖を簡単に増幅できるDNA増幅試薬です。
RCA法では、PCR法では増幅困難なDNA (GC-rich, AT-rich配列等)でも増幅可能で、さらに簡単に鋳型調製をおこなうことができます。
CUGA®シークエンシングシステムの鋳型調製にこのRCA法を用いることにより、PCRで増幅困難な難解読鋳型をこれまで以上に簡単に解析することが可能です。
プラスミドDNAは、T3およびT7プロモーター配列を有するもの(例:pTS1)を使用することが条件となります。

・操作手順例(ABI PRISM® 310 Genetic Analyzer使用)
【鋳型調製(TempliPhi DNA Amplification Kit使用)】
1.プレートからコロニーを楊子などでピックアップ

2.Sample Bufferを5マイクロリットル加え、95℃、3分間熱変性し、室温まで冷却

3.Reaction Bufferを5マイクロリットルとEnzyme mixを0.2マイクロリットルを混ぜたプレミックスを、冷却後のサンプルに加える。

4.30℃、14時間反応後、65℃で10分間

CUGA®シークエンシング反応】
1.CUGA®シークエンシング反応液にTempliPhi増幅産物を1マイクロリットル加える。

2.37℃、60分間(CUGA®シークエンシング反応)

3.エタノール沈殿により精製し、シークエンサー(ABI 310)へ


【データ解説】
 イネゲノム由来の難解読DNAクローンを鋳型として使用。難解読DNA領域は、クローニングベクターとして、pTS1ベクターを使用し、クローニングしたものを用いている。
 使用した難解読DNAクローンは、G+Cに富む配列を含み、PCR法では増幅が困難である。また、サイクルシークエンス法(以下、CS法)では、G+Cに富む領域において、顕著なシグナル減衰を引き起こすことにより正確なシークエンス解読が困難な鋳型配列である。
 このようなDNAクローンにおいても、TempliPhi Amplification Kitを用いることでDNA増幅が可能であり、増幅産物をCUGA® Sequencingで解析することにより、このようなCS法ではシークエンス解析の難しい鋳型配列の解析もおこなうことができる。

図:TempliPhi Amplification Kitによる増幅産物のCUGA®3 Sequencing Kit (for ABI PRISM® 310 Genetic Analyzer)を用いたシークエンス解析例
(上記データの鋳型サンプルは、農業生物資源研究所/STAFF・イネゲノム研究チームからご提供いただいたものです)


 このように、RCA法を組み合わせてCUGA®シークエンシングをおこなうことにより、CS法では難しい鋳型配列の解析を、さらに簡単におこなうことができます。

 皆様、是非ともお試しになってはいかがでしょうか?


※TempliPhi Amplification Kitに関しては、アマシャムバイオサイエンス社にお問い合わせください。
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第9回:【緊急報告】きわめて解析困難な配列解読成功
(126baseにもおよぶGT-repeat配列)
 緊急報告です。
 バーチャルセミナー第9回では、帝京科学大学 平井俊朗先生の鋳型サンプルで、
かなり頑固なG+Tの繰り返しのある配列を、CUGA®シークエンシングシステムにて難なく解析をおこなえたことをご報告いたします。

 サイクルシークエンス法によるシークエンシングでは、GT-repeatが開始されてから急激にシグナルダウンが見られ、その後は全くシグナルが得られず、かなり長いGT-repeatであることが予想されました。
 これをCUGA®シークエンシングシステムで解析した結果、126baseもの長さのGT-repeat配列であることが確認できました。


図:平井俊朗先生からのサンプルを用いてのシークエンス解析比較
  (126baseにもおよぶGT-repeat配列の解析)
注:GT-repeat配列前後のデータは、平井先生のご希望により、省略いたしました。

【解析結果をご覧になった帝京科学大学 平井俊朗先生からのコメント】
おかげさまで読めないで困っていた部分に決着が付いてありがたく思っています。私はある遺伝子のゲノム構造を決めるのが目的でしたが、少なくともA社のTaqサイクルシーケンスキットでは読み切れなかった部分なので非常に喜んでいます。
魚の業界でもメダカ、ゼブラなどを始めとしていくつかのゲノムプロジェクトが進行中のようですが、反復配列が多い領域では皆さん苦労されているようです。転写シーケンスはゲノム構造の研究にはかなり有効な感触を持ちました。ただ、現状では通常のTaqシーケンスの補完的手段として考えたいと思います。今後、蛍光色素の改良、酵素の高性能化などで検出感度、解析効率がアップすることを期待します。

CUGA®シークエンシングシステムの威力をその目でご確認ください!
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