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 従来の蛍光標識を用いたサイクルシークエンス法では、DNAシークエンサーでベースコールされるのは、プライマーの3'末端から25〜30 baseです。
 しかし、今回、全く新しい塩基配列決定法である転写シークエンス法を用いると、ベースコールが始まる配列は、転写開始点から50baseであり、現在のプロモーターを有するベクターを用いると、クローニング部位の同定ができない可能性が高く、解析したい配列の末端配列がわからないといったことがありました。こうした欠点を補うため、弊社では、転写シークエンス法に最適なクローニングベクター"pTS1"を開発しました。

 転写シークエンス用クローニングベクター"pTS1"は、pUC19を由来としており、転写シークエンス反応に必要なT3およびT7プロモーター配列を有する鋳型DNAを迅速に調製できます。
 pTS1には、ß-ガラクトシターゼをコードするE.coli lacZ'α遺伝子を含んでいます。このlacZ'α断片には、マルチクローニング部位(MCS)が導入されています。DNAをMCSに挿入するとlacZ'α遺伝子産物の活性は失われるため、組換え体を青/白コロニーによる選択ができます。
 さらにMCSのHincll部位にクローニングすると、CUGA®3およびCUGA®7RNAポリメラーゼの転写開始点から目的インサートまでの距離が約50baseとなり、目的遺伝子の5'末端および3'末端からのシークエンスが可能です。



【pTS1の特長】
  • pUC由来のため、多コピー存在します。
  • MCSはHincllを中心に、5'突出型、平滑型、3'突出型制限酵素部位が対称に配置されています。
  • 転写開始点からHincllの切断点まで、T3の場合は54base、T7の場合は56 baseの距離があります。したがって、目的遺伝子の5'末端および3'末端からのシークエンスが可能です。




 また、pTS1は、転写シークエンス法のみならず、従来のシークエンス用プライマーを用いてサイクルシークエンシングもおこなうことが可能です。更に従来のシークエンス用プライマーの他に、pTS1用に開発されたシークエンスプライマーを準備中です。これらから、お客さまの鋳型DNAに合わせたシークエンスプライマーの選択が可能です(図2参照)。



【推奨宿主菌種】
 pTS1クローニングベクターに使用する宿主細菌株として、E.coli JM109を推奨しています。

 なお、Hincll部位で消化済みの直線型pTS1もご用意しています。この直線型プラスミドは、細菌性アルカリホスファターゼ(BAP)で処理し、精製しているため、そのままクローニングに使用できます。



CUGA®は、株式会社ニッポンジーンテクの日本における登録商標です。


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